新感覚のアートレストラン「Sekka Lab.」が倶知安町にオープン
アートと文化を取り入れたレストランがニセコエリアに新しい味をもたらします。
Sekka Lab.は2016年12月下旬に倶知安町にてオープンしました。ピシッとしたレイアウトは、どこかオフィスのような印象を与えます。ここはレストランでありカフェであり、またアートギャラリーでもあるという斬新な作りで、今までのニセコになかった流れを取り入れています。
私たちは運良くSekka Lab.のファウンダーでありクリエイターの、ショウヤ・グリッグさんとお話をさせていただくことができました。
北海道に住みはじめてすでに23年、そのほとんどを札幌とニセコで過ごしたショウヤさん。この斬新なレストランのアイデアは、ショウヤさんが日本にいる間に出会った北海道のおいしい食べ物、美しいアート、コミュニケーション、そして日本の文化と触れ合うことで生まれました。
以下はショウヤさんのお話です。
「この辺りは私にとって本当に重要で、私たちの生き方に素晴らしい価値を付け加えてくれてると思ってるよ。」
「私は12年前にSekkaの1つ目をオープンしました。そのときはちょうどニセコが"新しい時代"に入った頃だね。その後"坐忘林"という旅館を開くために何年間か休業することになった。しかしたくさんの方からもう一度Sekkaをオープンしてほしいという要望を受けました。そこで、いつか新しいレストランを開くために数年前から買ってあった物置をリノベーションしてSekkaを始めることにしたんだ。これは完全にタイミングの問題だったんです。」
イギリス出身のショウヤさんがアート・食べ物・文化を融合させてできたレストランがこのSekka。
ショウヤさんは「もっとも素晴らしい料理を提供するのは当然だよね。私はそこにアートやオブジェクトを加えてもう一歩先に行きたい。」と語りました。
そのこだわりは細かいところにも現れています。例えば、Sekkaのメニューは普通のプリントされたメニューではなく、その日その日によって原料や料理が変わるメニューを、小林さん率いるシェフのチームがその都度手書きで書き変えているのです。もちろん以前から人気のあるメニュー、例えば「Ezo Shika」やイタリアン料理の「porchetta」などは以前のSekkaと同じようにお楽しみいただけます。
我々はSekkaでジューシーなローストポーク、京極町で育った旬な野菜と豆のミネストローネ、チョコレートでコーティングされたいちじくとベリーやレモンのシャーベットのコース料理を堪能しました。
一方、アートとインテリアスペースでは同じように流動性の哲学が織り込まれています。
「私はいろいろな場面に"季節"を組み込む日本の伝統を非常に愛しています。料理もそうだし、生花やお茶文化、和室に置いてあるオブジェクトでさえ季節を感じることができる。私が日本にいる間、この文化は私を大きく変えてくれました。」
デザイナーとフォトグラファーというバックグラウンドを持つショウヤさん。そんな目の利いたショウヤさんがSekkaに設置したスペースは、思慮に富んでいて、且つ、人工的に作られたとは思わせないようなデザインになっています。このスペースでは人の産物(アート)と自然(スペース)がうまく溶け合っていて、その美しさをショウヤさん自身「素朴な贅沢」と表現しています。彼にとってこのスペースにあるものは「経験」であり「価値」であって、ただの消耗品ではありません。
「私は役目を終えた物にもう一度命を与えることが好きなんです。この世のあらゆるものが必要とされて生まれてきたものであり、クリエイティブの領域で生まれてきている。それらはみな、今後もポテンシャルがあると私は信じています。」
しかし、ただ見るだけでは終わりません。北海道のアーティストが作ったツボなどの作品をここで購入することができるのです。
Sekkaは何度訪ねてもあなたを飽きさせることなく、新しい世界に連れて行ってくれるでしょう。
Sekka Lab.
<営業時間> 年中無休 10:30-23:00
<住所>北海道虻田郡倶知安町南1条西2丁目15-2
<電話>0136-23-1139