ニセコで山歩き
ニセコのグリーンシーズン到来。ニセコのハイキングについて、山に入る前に準備しておくべきことをまとめてみました。ニセコのサマーハイキングシリーズパート1。
ニセコ連邦や羊蹄山に降り積もった雪が溶けてなくなる頃、季節は緑が眩しい「グリーンシーズン」へと移り変わります。これまで白銀の、モノクロームの世界だった景色が一斉に活気に満ちた風景へと変わり、スキー板をトレッキングシューズに履き替えて山歩きを楽しむシーズンとなります。ニセコ山系は、小さなお子様からエキスパート、お年寄りまで楽しめる様々なコースが揃っているのが魅力です。距離を保ちつつ、美味しい空気を吸いながらの山歩きは、ニセコエリアの地形や歴史、動植物を知る絶好のチャンスです。
例年山開きは6月中旬に行われ、雪が降り始める10月半ばまで解放されます。今年の公式な羊蹄山山開きは6月13日が予定されていますが、現在の不要不急の自粛モードの中、セレモニーは内輪で粛々と行われるそうです。大自然の中で非日常的な景色を眺めながら、素敵な思い出作りのためにも、山歩きの前に快適に登るグッズやヒントをご紹介します。
厄介者の虫<虫除け>
清々しいイメージがある山歩きですが、世界中で虫のいない大自然はありません。ある程度自然界の中では虫はつきものだという意識をしておくと良いのですが、噛まれてしまうと厄介な虫もいます。夏の始めには、ブヨが活発に行動します。特に比較的涼しい朝夕が活発的で、幼虫は水質の良い環境によく生息しています。蚊やハチと違い、麻酔成分を事前に塗り、顎で皮膚をちぎって血を吸うので、噛まれた時も痛みを感じることがないのですが、後に猛烈な痒さと痛みを引き起こします。北海道の夏では、厄介者の虫の代表です。ブヨはハッカを嫌う性質があるため、北海道の夏の山歩きには「ハッカオイル」をまとうと効果があると言われています。(ハッカオイルは蚊に効果はありません)お盆の時期は特に攻撃性を増すスズメバチなどに出会しても刺激せず、焦らずに静かに退散しましょう。他、虫除けスプレーや携帯の蚊取り線香などを携帯し、なるべく肌を露出しない服装で汗の匂いを消し、明るい場所を意識して予防しましょう。
雪や泥に備える<シューズ>
割と軽装でトレッキングが楽しめる神仙沼や鏡沼は気軽に出かけられて人気が高いのですが、もう少し踏み込んだ山の場合、山開きの頃にはまだ雪が溶け切っていない場合もあります。通常、ハイキングシーズンの始まる6月頃には溶けていることが多い雪も、特に早朝など登山コースに残雪があると、非常に滑りやすくなっているのでタウンユースのスニーカーでは危険です。ぬかるみや岩場に対応できるよう、また疲労軽減のためにもトレッキングシューズの着用がおすすめです。ハイカットのトレッキングシューズの良いところは、そう言った安全性に加え、足首の保護、下り坂で小石が靴の中に入ってくることなども防いでくれるので、選ぶ山によって使い分けましょう。
水分補給は怠らない<水筒>
お手洗いに行きたくなるからと水分補給をなるべく控える人がいますが、水分補給は熱中症対策のためにも必ず必要ですので、日帰りの山歩きでは最低1リットルは携帯していきましょう。ないとは思いますが、くれぐれも山の小川や湖の水を煮沸なしで飲むことはやめましょう。きれいに見える湧水だとしても、北海道のキタキツネが終宿主のエキノコックス症に感染する恐れがあります。ミネラルの補給ができるスポーツドリンクは、長時間山にいる場合におすすめです。
その他の備え<装備・服装>
ニセコ山系や羊蹄山での山歩きで熊に遭遇する確率はかなり低いですが周辺の山では毎年、熊が冬眠から目覚める春、山菜を取りに山へ入った人たちの事故もあるので、十分に意識を持って入山しましょう。
また、あれば重宝する備えは以下のとおりです。
・休憩に簡単に食べられる行動食
・悪天候に備えてレインウェア(通気性があるものがベター。肌寒い日の防寒や暴風対策にも)
・衣類(速乾性の良い化繊生地の衣類を選びましょう。デニムは汗を掻くと肌に張り付き、生地が重たいため、山歩きには不向き)
・帽子は、熱中症予防のためにも首回りまで覆ってくれるハットがおすすめ
・ストック(下りで膝や腰の負担軽減に役立ちます)
・リュック(日帰りなら35LくらいのものでOK。上のものが全部詰められて腰ベルトがある物が良い)
・万が一の遭難に備え、家族や周囲の人に登山を周知し、難易度の高い山の場合はGPSやマップの準備があると良い
適切な服装や、快適に山歩きができる装備があれば、より安全に、楽しい思い出作りに役立つので、ニセコエリアに来られた際には木道が整備されている比較的手軽なコースから、大小の岩がゴロゴロしている登山道の山登りまで、景色も難易度も様々な山歩きをお楽しみください。国定公園内での動植物の採集は禁止されているので、山に敬意を払いながら、大自然が織りなす景色をご堪能ください。
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