早朝散歩のすすめ
朝は苦手だけど、たまには早起きして外に出てみよう。思いがけず春を感じる何かに出会えるかも。
ねぇ、いつもより2時間早く起きてみない?
雪も降ってるし早朝の倶知安町を一緒に見てみたくない?と朝5時に起きるよう説得してきた友人。できれば朝はなるべく長く布団にくるまって居たい・・・と抵抗を試みたけどこれまでの春の気候を一転する雪が降っていたおかげで早朝散歩もいいかもしれない・・・重い腰を上げる。
1時間かけて町内をゆっくりと散歩した。旭ヶ丘スキー場まで上り、町内中心部を一周。たった1時間、たいした距離でもないのに午前5時の早朝散歩って何か得るものってあるんだろうか。
ふかふかのパウダースノーをかぶるように滑り降りるパウダーマニアの探しているようなものではないにせよ、まっさらな雪の上に足跡を残していくのはなかなかの気分だ。雲間から注ぐ光のカーテンを歩いているような気分でもあったし、もしかしたらそれはきしむ雪の音のせいかもしれない、なんにせよまだ誰も歩いていない雪の上を歩くのは気分が良かった。
ここ最近の陽気な天気のおかげで、道路は乾き、アスファルトがはっきりと見えていた。ここに住んでいる人なら頷けるかもしれないが、待ってましたとばかりジョギングをする人、自転車を乗る人も目についた。だけどこんな風に雪が降ると、まだ終わっていないよ。と冬がまだ言っているように聞こえる。春が来たかと思えばまたこうして冬が戻ってきて、その季節の変わり目をまさに目の当たりにしているようで、ちょっとワクワクする。
この早朝散歩のハイライトを挙げるとすれば、倶知安町の小学校近くの角に咲くこの黄色い花を見つけたときだろう。昨晩の雪を少し重そうに頭をもたげながら咲いている黄色い春の兆しを見たとき、なんだか惹きつけられ、写真に撮らなきゃという衝動にかられた。花の名前は何だろう。
早起きして散歩をしても今朝のように何かに出会うことは、毎回ではないとは思うけど、少なくとも今朝は早起きに対する意識を変えてくれた。もしそれが7時や8時だったなら、きっと今朝みたいにまっさらな雪の上を歩くことはなかったし、雪だってきっともっと溶けて景色も違ったのだろうと思う。の静けさ、あの新しさは、あの時間だったからこそ。四季折々、どの季節もニセコの早朝散歩は何か得るものがある。昔の人が言った早起きは三文の得、とはきっと、目に見えて手で触れることができる何かだけではなく、感じること、思い出すこと、誰かを想うこと、季節を感じること、五感をフル活用することなんじゃないかと思う。豊かな時間を過ごすため、新しい年度の新しい習慣として悪くないと思えた。