山を愛す:映画監督、ジェニファーピードム氏に聞く

”なぜ人は、愛してもらえないものに生涯を危険にさらしてまで愛してしまうのか”​

旅人、山岳愛好家、英国アカデミー賞候補映画監督・・・・様々な肩書を持つ、ジェニファーピードム氏。最近リリースされた彼女のドキュメンタリー映画「MOUNTAIN」で世界最高峰、最も危険なテッペンへ、取りつかれたように冒険を繰り返す中で、ずっとこの究極の質問が頭をよぎる。

リチャードトーネッティ氏と彼の率いるオーストラリア室内管弦楽団(ACO)のメンバーとのコラボレーションを記念して、彼女はこの冬、特別上映会に参加するため、ニセコ入りしました。今回編集部は彼女の滞在中、少しだけお話を聞くことができたので、シェアしたいと思います。

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撮影のためヒマラヤでの一枚 © Jennifer Peedom

ニセコへようこそ!ニセコは初めてですか?きっかけはなんだったのでしょうか。

ニセコへ最初に来たのは、映像撮影のためにきた2016年。編集班と1週間滞在しました。ちょうどその時期に来ていたリチャード トーネッティとACO(オーストラリア室内管弦楽団)のメンバーと一緒にサウンドトラックの音楽の作業にも取り組みました。

映画、MOUNTAINではニセコの象徴でもある羊蹄山も出てきますが、織り込もうと思ったのはなぜでしょう?

私の撮影監督でもあるRenan Ozturkも2016年の撮影ロケに同行していて、山のシーンを撮影するとき、この羊蹄山は外せない、と思ったんです。

この映画は山と人間の関係を多く追及していますが、どういうところが面白いと感じますか?

私は常々、人が山々に魅了されることについて興味を持っていました。なぜ、人は愛し返してくれないものに、わざわざ人生を危険にさらしてまで愛そうとするのか。でも私も山岳カメラオペレーターとして働いていた経験があるので、山の魅力は十分に理解しています。

山にハマったきっかけは何かあったのでしょうか?

幼少期、オーストラリアのトレドボという町でハイキングやスキーなどをして育ち、山には親しんでいました。その後、ドキュメンタリー映画監督としてヒマラヤで仕事を始めました。遺伝ということもあるかもしれませんが、標高の高い地帯でもつらさを感じることなく仕事ができ、映画監督としての私のキャリアは山で始まったんです。

仕事以外にニセコではどういうことをして過ごしていますか?

今回は、家族と一緒に来たので、子どもはスキーを楽しんでいますよ。地元の温泉に行ったり、家族の時間を楽しんでいます。

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夫と子供とニセコのゲレンデにて © Jennifer Peedom

ニセコのお気に入りの食べ処はありますか?

アクセスも良い、ひらふ交差点にあるふじ鮨さんとか、ひらふ坂にある登山軒ラーメンとかかしら。

ニセコの魅力って?

私にとってニセコは本当、冬の楽園のようなもの。世界トップレベルのリゾートでありながらも文化的にも豊かな地にあるので、最高のスノーコンディションを味わいながらも文化体験できることがすごくいいなと思います。

次の旅のご予定は?

3月にニューヨークへ飛びます。

快適な旅行のヒントって?

とにかく荷物を最小限にすること!

これからが期待される映画監督の卵たちに何かアドバイスをお願いします!

映画監督とは、何かを伝える仕事です。自分が何に一体興味があるのかに向き合い、その興味を育て、必死に追いかけること。それにつきます。あとは経験です。撮って、撮って、撮り続けては編集作業、可能な限り向き合ってください。失敗から学ぶことはたくさんあるんですよ。

ありがとうございました。

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MOUNTAINの上映会とリチャードトーネッティ氏率いるACOメンバーによる演奏会の様子はこちらから動画で視聴可能です。