閉館の新見温泉、日帰り温泉再開か

蘭越町の新見温泉が今年の12月には日帰り温泉を再開する予定

2016年3月に閉館したニセコの奥座敷、新見温泉。露天風呂からの景観が素晴らしいという声も多く、秘湯としてリピーターが多かった新見温泉ですが、このたび札幌の不動産賃貸業者に売却され、建物などを改修した上で今年12月にも日帰り入浴の受け入れを再開する方針です。

新見温泉は蘭越町にある、ニセコの山間の秘湯として知られ、明治45年に開業していたことから、100年以上の歴史があることになります。新見直太朗氏が1910年に湯宿を開業し、周辺を開拓したことから地名は新見と名付けられています。

特に温泉ファンからはその泉質の良さや風情の良さに、その閉館の事実にショックを受けられた方も多かったでしょう。3月に閉館以来、売却先を探していたところ、札幌市の不動産賃貸業、敷島屋の中村達也社長に売却され、運営は札幌観光バス子会社の旅行会社クールスターに委託される方針です。

新見社長の高齢を理由に経営を断念したとされていましたが、近年のニセコスキーリゾート地区での目覚ましい開発により、日々変わりゆくニセコに対し、変わらずにいることとの狭間での苦境を強いられるという背景が少し浮き彫りになる一例かもしれません。ともあれ全国から湯治客が訪れていた素晴らしい温泉だけに、また営業が再開されるということはうれしいニュースでもあります。日本人が、なぜか懐かしく、どこかほっとできる風情の変わらない環境とその歴史が少しでも残ることを願います。

Niimi Onsen