ニセコ近隣の天然湧き水ポイント
羊蹄山で長年濾過された湧水は、日本国内でも有数のミネラル豊富な天然水です
羊蹄山麓は、かつての羊蹄山の火山活動による地質構造と、標高の高い場所の降水量、降雪量の多さなどの条件が重なることから、数えきれないほどの場所から湧水が噴出している、いわば名水の里。非常に豊富な湧水群に恵まれていますが、その中でも有名な湧水スポットがくつか点在します。札幌や他道内からも大きなポリ容器をもって水をくむ人や、観光客の型がペットボトルにくんでいる姿を多く見かけます。美味しい水が無料でいただける、まさに自然の恵みを、ニセコエリアに来たらぜひ体験してください。
天然の湧水って?
ここ、羊蹄山麓の湧水は、羊蹄山に降った雪や雨が、隙間の多い溶岩や火山灰の中に染みわたり、何十年もの歳月をかけて地下に浸透し、濾過されます。粘土質の地層で浸水がブロックされれば、標高約250メートルにある溶岩と粘土層の境目あたりで地表に湧き出てきます。特に羊蹄山の南東側に集中しており、西部に比べて主要成分の濃度が低くて口当たりがまろやかなんだとか。長期間かけて濾過された水なので、ミネラルが程よく溶け込み、純度も高いのが特徴です。これにより、1985年に羊蹄ふきだし湧水として環境省の名水百選に選ばれ、その後1990年には建設省が選定する生活を支える自然の水30選に、そして2002年には北海道遺産に選定された経緯があります。
羊蹄山麓の天然湧水の特徴は?
前述したように、何よりも要になってくるのは名峰、羊蹄山です。50年~100年もの歳月をかけて沁み込んだ水が地下に流れ、地下水となり、最終的に周囲より湧水となって地表に出てきます。実は羊蹄山の湧水スポットは数えきれないほどあるのですが、有名なポイントは3つあります。
ふきだし公園 【京極町】
湧水ポイントとして最も有名なのがこの、京極町のふきだし公園。湧水の量はなんと国内でもトップクラスとなる1日当たり約8万トン。想像できないような量ですが、わかりやすく言えば、約30万人の生活用水に相当します。そして特徴としてはその水温。年中約6.5度の一定の水温を保っているそうです。このふきだし公園は、この湧水により、観光スポットとして整備され、周囲の森林の紅葉や、春の桜などがより一層訪れる観光客を楽しませてくれる場所となりました。また、子供たちの遊ぶ遊具や、この天然水で造る名水珈琲なども人気で、今では観光バスの立ち寄りスポットにもなっています。湧水スポットに行くとわかりますが夏でも清々しく、辺りはマイナスイオンで満ち溢れています。
羊蹄の湧水 【真狩村】
羊蹄山を一周する方にもとても人気な湧水スポットと言えばここでしょう。ニセコ町から真狩村に入ったすぐに位置する、羊蹄の湧水。敷地内にはソフトクリームやお豆腐屋さんがあり、特にこのお豆腐屋さんは、湧水を使用したおからドーナツやびっくりするほど大豆の味が染みわたるまるで濃厚なチーズケーキを食べているかのような感覚のすごいお豆腐、その名も「すごい豆腐」など、常に12種類以上のお豆腐や大豆製品がそろい、試食コーナーも充実しているので、いつも長蛇の列ができています。大量のポリタンクを車の荷台に積んで水を汲んでいく手慣れた人も多いです。豆腐ファンならぜひ、訪れてほしい名所です。
さかもと公園の甘露泉 【ニセコ町】
ニセコ町のアンヌプリからさらに蘭越方面に進むとニセコグランドホテルの向かい側にあるささやかなたたずまいの水くみ場があります。
まろやかな味わいで、少し甘みもあることから、甘露泉と呼ばれており、ニセコエリアのレストランやカフェがこの水を使用しているという名水です。手軽に汲んで飲めるのがこのさかもと公園の水くみ場で、毎分1リットル、時たまごぼごぼという音を立てて湧き出ています。近くの温泉にの帰りに立ち寄って冷たい水を汲んでいく観光客の姿も良く見られます。