No Local Rice, No Life
ニセコエリア、蘭越町は米作りが盛んな地域です。6月は水田には苗が並び、水面に映る逆さ蝦夷富士が美しい季節です。
北海道の米は美味しくない、と言われていた時代があります。農作物はじゃがいもやとうもろこし、小麦などのイメージが強い北海道ですが、近年全国でも新潟県とも肩を並べるくらいの米の一大産地になりました。北国ならではの例外や洪水などに対して苦労を乗り越え、北海道の寒さに適した品種改良などにより、米の生産が増加しました。
ニセコエリアでも特に、南西部に位置する蘭越町は米どころとして知られています。周りをニセコ連邦の山々に囲まれた盆地で、町の真ん中を道南最大級の清流、尻別川が30kmにわたり貫流しています。ミネラル分が多い水と、比較的温暖な気候と肥沃な土壌が、水田の耕作に最適で、町で生産される良質な「らんこし米」は道内外でも人気のブランド米となっています。
田んぼのある風景は、日本の原風景としてあちこちで見られますが、羊蹄山やニセコ連邦の山々のシルエットを背景に見られる広大な景色はニセコエリアならでは。豊沃な地でのびのびと育つニセコエリアの田園風景はグリーンシーズン中に様々な色彩で表情を変えて魅せてくれます。
5月の大型連休が終わる頃、北国にもようやく桜の便りが届きます。まるで鏡のように透き通った水田の水面には青空が映し出されます。小さな緑の稲の苗がどこまでも美しく点々と並び、遠く緑みなぎるニセコ連峰の山々にまで続いているかのように見えます。
8月、ドライブする窓から見えるのは、ぎっしりと育った黄緑色の田んぼ。やや黄色く稲穂が実り、あれほど点々としていた小さな苗が所狭しと並ぶ一面のグリーンカーペットと化します。9月には、全国でも一足早く稲が広大な面に頭をもたげて並び、風がそよぐとざわざわと騒ぐ収穫の秋がやってきます。低い空に浮かぶ雲が黄金色の影を落とし、日が沈む黄昏時には、橙色が、身の詰まった稲を照らし輝きます。
あちこちで新米が出回り始め、食卓には今日も美味しいごはんが並びます。「米粒一つ残さないように」この言葉を心で唱えながら今日も生産者さんに感謝して、ほかほかの炊き立てのご飯を口に運びます。美味しいごはんがある幸せ。手を合わせて、「いただきます」。
この記事は、2020年夏のエクスペリエンスニセコマガジンのNo Rice, No lifeより抜粋しています。全文はこちらから。
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