チーズと紅茶、ときどきアート
夏の雑誌でご紹介した共和町のカマンベール工房クレイルのお隣にあるティールームケンブリッジが惜しまれながら閉店
エクスペリエンスニセコ日本語版夏に掲載しました共和町のティールームケンブリッジでの取材時にお会いした西村育代さんご姉妹。エネルギッシュで知性に満ちたお二人より、ティールームの無期限閉店のお知らせを受けました。残念なお知らせではありますが、同敷地内のチーズ工房は製造・販売をされているようなので、ぜひ、立ち寄ってみてください。
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倶知安町とニセコ町に面したお隣の町、共和町の高台に、日本で初めての個人経営カマンベールチーズ工房がある。よく育った緑映える木々の間から光が射しこみ、地面にまだら模様のひだまりを落としている。エントランスの階段には手入れされた鉢植えに赤やピンクの花が咲き、白く縁取られた窓枠が、どこか西洋風の面影を持つ。
1975年創業のチーズ工房で店主の西村公祐さんが作ったチーズを妻の西村育代さんが、この建物の1階で販売している。夏には、どこかほんのりチーズの風味がするソフトクリームのテイクアウトも人気のようだ。
大人な雰囲気を醸す英国風ティールームは、建物の2階にある。どうぞ、と出迎えられ、懐かしい匂いのする階段を上っていく。それにしてもこのティールームの雰囲気に始まり、その空間を作る西村育代さんと、小林芳子さん、姉妹揃ってどこか異国の香りを纏っている。嫌味のない上品な身なりだけでなく、立ち振る舞い、言葉遣い、そして彼女たちの持つ気品と芯のあるまなざしがそう印象付けるのだろう。世界を多く見てきた人たちが、ここ共和町で様々な人たちを歓迎している。
ティールームの店主の一人、育代さんの学生時代は日本でオリンピックが開催された1960年代。多くの外国人が日本を訪れるのを見て、翻訳家を志していた。英語の勉強に時間を費やすも、話せる環境が周りにないことに満足がいかず、イギリスへの留学を決意した。イギリスだけでなく、パリの語学学校ではフランス語も学んだ。
「チーズと、紅茶?」と首をかしげてしまうが、育代さんは笑ってこう言う。「チーズと紅茶って意外と合うんですよ。そう思ったのが、このティールームの始まりなんですから。」
世界的に紅茶の栽培が有名なマレーシアへホームステイに行った際、淹れてもらった紅茶に、こんなにきれいな味わいの紅茶があるのか、と衝撃を受けた。フレーバーティーも豊富で、どれもすべて美味しく、育代さんを虜にした。受け入れ先家族が紅茶園のマネージャー宅だったというご縁もあり、日本でティールームをオープンするときにはキャメロンハイランドのBohティーを使用したいと心の中でずっと思っていたーー。
続きはエクスペリエンスニセコ2019春夏号P.10に掲載されています。どうぞ、お読みください。
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